TechnologyとIntelligenceに憧れて

外資系ネットワーク・エンジニアの独り言。

2020-01-01から1年間の記事一覧

2020 Vol.12 『人新世の「資本論」』 斎藤幸平

『人新世の「資本論」』 斎藤幸平 集英社新書, 2020 本書は、これまでとは異なるマルクスの思想を展開しつつ、現代における資本と社会と自然の絡み合いを分析するものである。本書において、著者は資本主義が招いた気候変動危機について、常に成長を目指す社…

2020 Vol.11 『欲望の資本主義4 スティグリッツ×ファーガソン 不確実性への挑戦』

『欲望の資本主義4 スティグリッツ×ファーガソン 不確実性への挑戦』 丸山俊一+NHK「欲望の資本主義」制作班, 2020, 東洋経済新報社 本書は、未来を展望する歴史学者、ニーアル・ファーガソンと戦う理論経済学者、ジョセフ・スティグリッツの二人へのイン…

コロナ時代に人類が考えるべきことは?:BS1スペシャル シリーズコロナ危機『マルクス・ガブリエル コロナ時代の精神のワクチン』

コロナ時代に人類が考えるべきことは?:BS1スペシャル シリーズコロナ危機『マルクス・ガブリエル コロナ時代の精神のワクチン』 「自由とは好きなように思い通りに行動することではない。自由とは誰かに命令されることなく自らの意志で自らを律して生きる…

2020 Vol.10 :『マルクス・ガブリエル 危機の時代を語る』

『マルクス・ガブリエル 危機の時代を語る』 丸山俊一+NHK「欲望の時代の哲学」制作班 NHK出版新書, 2020 本書は、ドイツの哲学者、マルクス・ガブリエルと知の最前線にいる5名の識者との対話をまとめたものである。 ガブリエルは、連帯や国家、組織の構造を…

2020 Vol. 9 :『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学するⅡ 自由と闘争のパラドックスを越えて』

『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学するⅡ 自由と闘争のパラドックスを越えて』 丸山俊一+NHK「欲望の時代の哲学」制作班, NHK出版, 2020 本書は、「哲学界のロックスター」と呼ばれるドイツ人哲学者のマルクス・ガブリエルが現在の状況を哲学的な観点…

2020 Vol. 8:『限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭』 ジェレミー・リフキン

『限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭』 ジェレミー・リフキン 柴田裕之訳, NHK出版, 2015 本書は、新自由主義による所得格差の拡大など多くの課題を抱えている市場資本主義から共有型経済へのシフトが進行していく、という新しい社…

2020 Vol. 7:『ホモ・デウス – テクノロジーとサピエンスの未来 -』 ユヴァル・ノア・ハラリ

『ホモ・デウス – テクノロジーとサピエンスの未来 -』 ユヴァル・ノア・ハラリ 柴田裕之訳, 河出書房新社, 2018 本書は、人類の未来について、特に今後の数十年について描いたものである。 著者は、過去数千年にわたり人々が取り組むべきことは、飢饉と疫病…

2020 Vol. 6 『善と悪の経済学 -ギルガメッシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠-』 トーマス・セドラチェク

『善と悪の経済学 -ギルガメッシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠-』 トーマス・セドラチェク 村井章子訳, 東洋経済新報社, 2015 本書は、現代の経済学が、文化の成果を表すものであり文明の産物ととらえ、古代の神話の中に経済的な思想を探り…

2020 Vol. 5:『PROGRESSIVE CAPITALISM』 ジョセフ・E・スティグリッツ

『PROGRESSIVE CAPITALISM』 ジョセフ・E・スティグリッツ 山田美明訳 東洋経済新報社, 2020 本書は、2001年にノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツの最新作である。本書は、過去40年の資本主義の現状を分析し、政治と経済を再建し、万人が普通に生活す…

2020 Vol. 4:『資本主義と民主主義の終焉』 水野和夫・山口二郎

『資本主義と民主主義の終焉 -平成の政治と経済を読み解く-』 水野和夫・山口二郎, 祥伝社新書, 2019 本書は、副題にあるように平成時代の政治と経済について、政治学者と経済学者が対談形式で振り返り、解説しているものである。 平成の時代は、ベルリンの…

2020 Vol. 3:『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』

『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』 丸山俊一+NHK「欲望の資本主義」制作班, 東洋経済新報社, 2020 本書は、NHK BS1スペシャル「欲望の資本主義 特別編 欲望の貨幣論2019」において貨幣について言説した、岩井克人氏の言葉をその後の会話を加えてまとめた…

2020 Vol. 2:『未来への大分岐 資本主義の終わりか、人間の終焉か?』 マルクス・ガブリエル/マイケル・ハート/ポール・メイソン/斎藤幸平・編

『未来への大分岐 資本主義の終わりか、人間の終焉か?』 マルクス・ガブリエル/マイケル・ハート/ポール・メイソン/斎藤幸平・編 集英社新書, 2019 現代社会が多くの問題に直面し、危機が日に日に深まっている状況において、最悪の事態を避けるためには…

2020 Vol. 1:『銃・病原菌・鉄』 ジャレド・ダイアモンド

『銃・病原菌・鉄』 ジャレド・ダイアモンド 倉骨彰訳 草思社文庫, 2012 本書は、現代世界の不均衡について、人類史の観点から解明しようとするものである。この現代世界における不均衡の要因は、西暦1500年時点における技術や政治構造の各大陸間の格差によ…

「欲望の資本主義2020~日本・不確実性への挑戦~」

BS1スペシャル 「欲望の資本主義2020~日本・不確実性への挑戦~」 このところ、毎年放映されている「欲望の資本主義」シリーズを今年も視聴した。このシリーズも2017年から4年目となった。内容は大変おもしろく、制作者の意図どおり、考えさせられることが…