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外資系ネットワーク・エンジニアの独り言。

「欲望の資本主義2020~日本・不確実性への挑戦~」

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BS1スペシャル 「欲望の資本主義2020~日本・不確実性への挑戦~」

このところ、毎年放映されている「欲望の資本主義」シリーズを今年も視聴した。このシリーズも2017年から4年目となった。内容は大変おもしろく、制作者の意図どおり、考えさせられることが多いのであるが、正月三が日に見るには重いので、録画して日にちをずらして見ている。
ついに、今年の舞台は日本である。日本を取り上げるとなると、どうしても少子高齢化の人口問題と巨額の財政赤字に触れざるを得ない。財政赤字に関しては、MMTが自国の通貨を発行できる国は、無限に通貨を発行することが可能なため、巨額の赤字を抱えても財政が破綻することはないと主張している。このMMTの主張は、極端なもので拒否反応を示す人が多くみられる。だが、MMTの主張に対して、主流派経済学者と言われている人たちが論理的に反論していることが少ないように思う。この番組内の出演者の発言にもあるが、「信用できない」や「おかしい」といったことではなく、何がどう信用できないのか、を論理的に説明してほしいところではある。
現在の日本経済は、潜在成長率は世界最下位のレベルまで低下し、個人における相対的貧困が増加し、格差の拡大を招くとともに、リスクではなく、不確実性が増大していると考えられる。この状況は、各個人の心理を不安にさせ、より合理的な行動に駆り立てている。だが、この個人の合理的な行動が全体としては不合理なものとなってきているのである(合成の誤謬)。これが国民の心理を不確実な将来という方向に向けさせてしまっていると思われる。
今年の番組は、「自由を守るために、自由放任主義から決別しなければならない時がくる。」という岩井氏の言葉で締めくくられている。番組の最初において、日本経済が現在の混沌の原因は、フリードマン新自由主義としている。このことから日本は従来の新自由主義から脱却し、新しい主義・政策への転換を目指すべきという指針を示しているものと考える。
「欲望は青い鳥」。
やめられない、とまらない・・・、欲望の資本主義